栗林公園 香川の思わぬ観光名所
こんにちは。もひーこです。
天気が良かったら、豊島に行くつもりでした。空間そのものがアートになっているという豊島美術館に行ってみたかったんです。
ところがあいにくの雨。しかも台風接近中。船が止まって島に足止めされるのも、荒波を乗り越えて船酔いになるのも困りものです。ここは安全に、高松市の栗林公園を観光することにしました。
HPをみると、「一歩一景を誇る特別名勝」とうたっています。確かにどこを切り取っても風流で絵になる大庭園でした。
江戸時代、高松藩の歴代お殿様たちが、100年あまりの歳月をかけてつくりあげたそうです。美しい自然を愛でることが、昔は最大の贅沢だったのでしょうか。
現代の娯楽は多種多様で、消費システムにのみ込まれていて、広告にあおられています。本当に心を満たすものは何なのか、よくわからない。自然の美しさで心を満たすというのは、とても本質的な楽しみ方だと思います。
ただ、庶民は怒ってたかもしれません。「殿様が庭に滝をつくれって言うもんだから、水の汲み上げに人手をとられて稲の刈り入れが進まないよ!」今はポンプで汲み上げています。
私がいちばん心惹かれたのは、掬月亭です。お茶付きで別料金ですが、そのたたずまいがどうしても素通りさせてくれませんでした。悠久の歴史が建物に刻み付けられていて、はるかな昔から今につながる時間が空間を満たしています。
窓に切り取られる庭園の姿もまた美しい。
庭園は、石ころひとつ置き場所が変わるだけで印象が変わります。端正に計算しつくされた自然はある意味人口的と言えますが、本来の姿よりも優美で私の心を捉えました。
人間の都合といえば、人間の都合ですが。自然はきっと、自然のままがいちばん美しい。でも管理された庭園にも趣を感じる感性が、長い歴史の中で私たちのDNA に組み込まれたのだと思いました。
日本に関する旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では「わざわざ旅行する価値がある」を意味する三つ星に格付けされています。「だいぶ上から目線やな」と夫が申しておりました。
でも本当に、わざわざ行く価値はあります。遠い昔、私たちは何に価値を見出だしていたのか。思い出しに行きましょう。