【読書】ブライアン・R・リトル 「自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義」

ブライアン・R・リトルの「自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義」読みました。ハーバード大学で大人気のリトル教授が、パーソナリティ心理学について教えてくれる本です。パーソナリティ心理学によって、自分自身や他者への理解が深まれば、世界をもっと自由に解釈できるようになるそうです。

 

構成はこんな感じ。

1章 他者や自分への評価基準が少ないと、世界が固定化されてしまう。

2章 性格の主要5因子を学んで、新たな評価基準を手に入れよう。

3章 性格は3つの動機に従う。①生まれ持ったもの ②環境に合わせたもの ③個人的な目標のために作り上げたもの。つまり性格は変えることができるのだ。

4章~8章 特徴的なパーソナリティについての解説。 

9~10章 パーソナル・プロジェクト(個人的な目標)によって、幸福度の高いパーソナリティを作り上げよう。

 

自分と向き合って幸せに生きるために、性格を科学するってところでしょうか。

 

①ありのままの自分を受け入れて自分を大切にすることと、②自分が達成したいことのために自分を変える努力をすること、どっちも大事なんですよね。でも私は、①を先に固めるのが、優先順位としては先かなぁ。②をがんばりすぎて、ちょっと疲れちゃったからね。(ちなみに、リトル教授は本来の自分とは異なるふるまいをした後は、自分を癒す時間が必要だと言っています。)

 

性格の長所と短所はコインの裏表だから、自分の性格はどんなものでも愛するべきものなのです。内向的な人は、刺激が多い場所より静かな場所の方が調子がいい。クリエイティブな人が革新的で大きな仕事を成し遂げるには、堅実で地味な作業もいとわない人のサポートが必要不可欠。良い悪いで評価するのではなく、たくさんの評価基準をもつことができれば、自分や他人のあら捜しをせず、優しくなれそうだなぁと思いました。

 

 例えば、リトル教授は次のような例を出しています。「バカか天才か」という評価基準にとらわれていると、どうせ自分はバカなのだからと、自分の可能性をしぼめてしまいます。この場合、「技能を身につけているか、いないか」という視点をもつことができれば、努力をすれば自分を含めて「人間は変わり、成長することができる」ということに気付けます。

 

パーソナル・プロジェクトについても、ちょっと考えさせられます。幸福を感じるプロジェクトとは、「自分にとって意味のあるもの」「自発的にスタートしたもの」「成功する見込みがあるもの」「自分でコントロールできるもの」「社会的なつながりがある」等の特徴があります。現在仕事のストレスで休職中の私ですが、休職前の仕事のことを考えると、真逆の要素ばかりで、ストレスの多いプロジェクトだったことがわかります。

 

これに対して、リトル教授は、幸福を感じられないプロジェクトについても、価値や意味を見直したり、比喩を活用することで再定義することができると言います。

つまり、仕事を新たな視点で解釈することができれば、復職する元気が出てくるかもしれないですね…。いやでも、「大企業の正社員」以外の魅力的な評価基準を獲得できれば、転職や専業主婦を選ぶこともできるということでもあるでしょう。

 

自分が「~でなければいけない」に縛られているのは、常々感じていました。それは、自分を含めて人間に対する評価基準が貧弱だからなのかなぁと、この本を読んで気づけました。持ってるモノサシが小さすぎて、自分の良さも、他者の良さも、測りきれてなかったようです。

 

休職中の私にとって、自分を見直すにはちょうどいい本でした。自分の評価基準の棚卸を実際にやってみないと読んだ意味ないので、いい具合にまとまったらブログにアップしたいと思います。